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栄養状態のバランスを保ち良好な水質に

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大小さまざまな島々が点在し、風光明媚な景色が見るものを魅了する瀬戸内海。
日本有数の豊かな漁場でもあり、「里海」とも呼ばれています。

そんな瀬戸内海に関して、2021年6月、注目すべき法改正が行われました。
改正瀬戸内海環境保全特別措置法(瀬戸内法)が、衆院本会議で可決し成立したのです。
これにより、栄養塩類の濃度を沿岸府県が海域の実情に応じて管理できる制度を設けることになりました。

栄養塩類は、海水・淡水に関わらず水中に存在し、プランクトンの養分となる窒素やリンなどを含む微量元素。
いわば、天然の肥料です。
かつての瀬戸内海は、海域の閉鎖水域である内海であるがゆえに、高度経済成長期に栄養塩類が過多になる富栄養の状態となっていました。

その結果、頻繁に赤潮が発生するなど水質が悪化した時期が続きました。
工場排水や生活排水などを厳しく規制する法律がつくられることで、その状態は徐々に改善。
著しい水質改善を達成することができるようになりました。
ところが、近年では逆に海水がきれいになりすぎて、海苔の着色に影響が出るなど水産業に影を落とすようになってきていました。

そこで、今回の法改正となったのです。
栄養塩類が多すぎても少なすぎても、自然の摂理は保てない。そのことを、瀬戸内海の事例は示していると言えるでしょう。

このように、海水の行き来がある瀬戸内海ですら栄養塩類の過不足で大きな影響を受けるのです。
湖や池、沼など内陸の閉鎖水域であればなおさらでしょう。
何も策を講じず放置しておくと、水の底に沈殿した深泥から栄養塩類が溶け出し、アンモニアや硫化水素、アオコの発生…等々、さまざまな悪循環を引き起こしてしまいます。

それを防ぐためには、酸素を水域全体に行き渡らせることが有効。当社の「湧昇流循環装置(カルチファン)」などを利用し、ちょうどバランスの取れた栄養状態を保つ工夫をしてみてはいかがでしょうか。